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お勧めの一冊・・・ピエタ [本]

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久々にカメラを持って、大船植物園へ行ってきました。
あの日から初めて、外へのんびりと。

芝生では子供たちが遊ぶ声。
いいなぁ☆彡

この間図書館から借りてきて、久々に胸を熱くした一冊を今日はお勧めします。

”ピエタ”とは、あのミケランジェロのピエタではなく、孤児院の名前。

”ほんとうに ほんとうに わたしたちは 幸せな捨て子だった”

舞台は、18世紀のヴェネツィア。
”四季”の作曲家であるヴィバルディは、同時に司祭でもあり、孤児である
女の子たちの中から音楽的な才能に秀でた者たちを指導していた。
そして、ある時そのヴィバルディの訃報が届くところから物語は始まります・・・

語り手である、エミーリア。
親友で天才的演奏家のアンナ・マリーア。
高級娼婦のクラウディア。
貴族のヴェロニカ。

愛と欲望。運命に流されていく人々。
そして別々に思われた人物がやがて、一枚の楽譜を通して、一つの織物を紡ぎ
あげるように徐々に一つに結ばれて・・・

読み始めた時に、あら? 翻訳ものだったかしらと思わせるような内容。でも
翻訳ものにはない、心地よく滑らかな文体に、まるで自分が18世紀の
ヴェネツィアに迷い込んだような錯覚を起こさせられる。

そして、その登場人物一人一人の魅力的なこと・・・☆彡
カーニバルの夜の熱気の中、仮面をつけた不思議な世界で繰り広げられる
夢の中のような情景。
女性たちの、揺れる心、そしてうらやましいほどの思い切りの良さ・・・

作者はあくまで静かな語り口であるのに、登場する人たちに秘められた熱い志を
感じ、読み進むほどに胸が熱くなります。
この中でも、私が一番魅力的に感じたのは、聡明な高級娼婦クラウディア。

人は、生まれる時代、場所を選ぶことはできない。
報われない愛もある。でもそんな中で・・・

より良く生きるとは・・・
自分の与えられた場所で、運命を受け入れ・・・何をなすべきかを知ったときには
潔く、ためらうことなくそれを全うすること。
それを、この魅力的な登場人物達に教えられた気がします。

この物語はミステリー風な味付けもありますので、あまり詳しいことは
書きませんが、最終章、音楽と共に・・あなたを思いがけないほどの感動が包む
ことは間違いありません。
作者は、大島真寿美さん。極上の一冊です。

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おまけで、桜とトリさん。

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